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2017/11/29

エレファント 完成

さて、今回はエレファントです。P虎と同様、何年も前に組立を終え、なんとなく、理由もないまま、塗装に取り掛かることなく放置してあった作品でした。

キットはプレミアムエディションのエレファントで、フェンダーなどに大判のエッチングパーツが用意され、金属砲身が付属する、というドラゴン・サイバーの白眉といっていい時代のキットでした。
まだツィメリットコーティングがモールドされていない時代のキットでしたので、コーティングは、エポキシパテ+コーティングローラーで施しています。
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車両と一緒に写っているフィギュアは、たまたま製作中だったもので、エレファントとの関係性はありませんです、はい。
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砲番号の設定と塗装は、フィクションで、実際の324号車を再現したものではありません。
では、以下、完成画像をば、いつもと同様にご笑覧ください。

本来、フェアディナントとして生産された90両は、656重戦車駆逐連隊の第1大隊と第2大隊(それぞれ653、654重駆逐戦車大隊でした)に45両ずつ配備され、ブルムベアを装備した突撃砲大隊とともに連帯を構成し、クルスク戦において、活躍が期待されたのでしたが、対歩兵用火器を持たなかったフェアディナントは、肉薄攻撃に弱点をさらし、もともと足回りの脆弱性に難があったこと(ま、これは、クルスク戦でドイツ側の装甲部隊が悩まされた重深防御陣によるところ大、といえるかもしれませんが)と合わせ、本来の活躍ができませんでした(ただ、敵戦車の撃破数はかなりのものだったとか)。

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クルスク戦後、654大隊は、その残余車両を653大隊へ移し、本国でヤークトパンター装備の戦車駆逐大隊へ改編されることとなりますが、653大隊は、生き残ったフェアディナントを用いてクルスク戦後の火消しに活躍しつつも、オーバーホールと改修のため、一旦前線を離れて、その後、改修されたフェアディナントは名称もエレファントと変更され再生されることとなりました。
ドラゴンのキットは、この際、再生されたエレファントの内、通常のタイプと、戦闘室後面が、他とは異なる意匠とされた車両とを作り分けられるようになっています。
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フェアディナント、エレファントは、これまでに2度ほど製作していましたので、本作は、確か9両くらいが同様に改修されたという、戦闘室後面が特徴的な車両として製作してみました。
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相違点は、背面のハッチに雨どい風の枠が設けられていたりするところだったかと記憶します。653大隊の記録集を見ても、それと特定できる車両は多くなかった記憶です。従って、324号車が、この意匠の車両であったかどうかは未確認なのです。
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P虎と同様、本作も軽めのウェザリングとしてみました。
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フィギュアと比較すると、いかにエレファントが大きいか、がよく分かります。
戦闘室も大きな容積があるように見えますが、実際には、88㎜砲の大きさが際立っていて、戦闘室内部は、想像するほど余裕があったのではなさそうです。
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偶然のように(P虎の車台として先行生産されていた90台分の車台、が先にあって、それらを活用すべくフェアディナントが生産された)生まれた本車でしたが、最後のエレファントが失われたのは45年になってからだったと言われます。
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モデラー仲間うちで、よく話題になることのひとつに、「戦車に生じたキズ」があります。重く、頑丈な装甲板で形作られた戦車という鋼鉄の固まりに、どれくらいの傷が生じたのだろう、ということです。
戦車の生存期間が、それを考えるに当たっては、ひとつの重要なファクターになりますが、工場のラインを出て、部隊に配備され、最初の戦闘で失われた車両に剝げキズや錆はあんまりないでしょう。
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一方、映画フューリーにあるように雨模様の天候下を行動した車両はただもう泥に覆われている、地の迷彩なんてわからないほど泥色になっているだけ、でしょうし。或は、森林やブッシュを一度でも通過して、木をなぎ倒したり、倒木を蹴散らして行動した車両は、細かな傷が沢山生じているでしょう。
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ひとつだけ確かなことは、生存期間が長ければ、長いほど、いろいろな傷や痛みが生じているであろうということで、実車の写真をみても、我々の大好きなチッピングだけとってみても、それと分かるほど大きなものが生じている車両は、実は少なくて、これを模型に再現すると、ちょっと大人しい感じになってしまう…
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そういうことをああだこうだと想像しながら模型を作るのも楽しい訳ですが、言ってみれば(結論的には)、やはり模型は模型だということ。
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戦車の主な部材である圧延鋼板は、めったなことでは錆ないし、チッピングの細かなキズは、おそらくは、下地のオキサイドレッドまでを侵食して、結果チッピングとして車体に残るのは、黒っぽい地金の色だろう、などなど。
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本当に錆びが生じる程度、となれば、その車両は、かなりの期間、生存し、戦場で行動したであろう、とか、ね。
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だから。ま、模型の塗装としては、実際とは異なっていても、ま、大多数が首肯できる程度にフィクションを含んで、模型なりの説得力がある、最大公約数的なところに落ち着く、という訳ですね。
雨だれ跡も同様で、装甲板からさび色の雨だれが流れているはずはないのですが(これは、現在我々が目にする建設機材の傷つき方とは決定的に異なる点で、建設機材は、ただの鉄製だから、塗料が剥がれれば錆びる、戦車の装甲板は、塗料が剥げても簡単には錆びない、とくに赤茶系のさびなんて生じない、わけです)、エイジング、汚れの表現として模型的説得力はあるわけです。

さて、これで懸案だった未塗装の作もフィニッシュすることができました。次回は新作に取り掛かろうと思います。飛行機や艦船も作りたいんですけどね、またAFVになりそうな予感が…

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コメント

エレファント、ポルシェタイガーともに完成おめでとうございます。
エレファントの履帯の汚れ加減が自然で軽めのウエザリングの車体とのバランスが素晴らしいです。
自分はどうしてもピグメントに頼りがちで盛りすぎの感が拭えません。

「戦車に生じたキズ」に関しては私も同感です。
兵器はどんどん消耗されるのが常ですから、平均稼働期間は半年もあれば長い方ではないでしょうか。
とはいえ、模型的な映えを考えれば錆びダレ、チッピング、退色表現は必要なものだとも思います。
どこまで汚すか、これはAFVモデラーにとって永遠の課題なんでしょうね。生意気なことを言って申し訳ありません。

ところで拙ブログに御ブログをリンクさせていただきました。
今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: hajime | 2017/11/29 21:44

hajime様、ありがとうございます。履帯のウェザリングは、使う色が最終的に混ざってしまい勝ちで何両作っても必ず成功するとは限らず、悩ましいところです。
リンクありがとうございました。今後とも宜しくお願いします。細々とたのしみ続けたいですね。

投稿: moppu | 2017/11/30 21:04

 moppuさん、こんにちは。モケモケです。
ご注文のサンダーモデル 1/35 
スキャンメル戦車運搬車が入荷しました。
早めのご来店をお待ちしています。

投稿: モケモケ | 2017/12/05 15:48

店長、ご連絡ありがとうございました。今週末には伺えると思います。宜しくお願いします。

投稿: moppu | 2017/12/07 21:27

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