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2018/04/06

マケットの38(t)

以前ちょこっと製作記などでチラッとお目見えした38(t)戦車であります。

むかーし製作した作品でしたが、塗装を落として、吹きなおしたもの。
そのときは、キットのメーカーさえ不明な状態でしたが、その後分かりました。
今となっては懐かしいマケット製でした。
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型式は、おそらくはC型ということになるのだろうと思いますが、よく分かりません(泣)
手元に残っていた旧トライスター(現在はHobby Bossに金型が移管しているのかな?)の38(t)に付属していたフィギュアを乗せてみます。
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吹き直しの塗装は、クレオスのモデュレーションセットを使用し、やや強調する方向で行いました。
今日は、完成画像をば、以下ご笑覧頂こうと思います。

38(t)の(t)は、チェコを表す符号です。ドイツ軍は、鹵獲した自国製でない兵器については、その当事国の頭文字を付して表しました。よく知られている例としては(r)=ソ連製というのがありますね。

38(t)は、チェコ製の戦車として完成していたものをドイツ軍が自国の戦車として採用したもので、(t)が付くことになったのでしたが、同じ38(t)系列の様々な車両は、ベースが38(t)であっても、特殊車両番号が付されて、これらは、ドイツ製として別枠となっています(マーダーとかね)。
さて、38(t)であります。あえて型式記号は付さないことにしました。
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大戦初期、主力戦車と位置付けられた3号戦車の量産が進まないなか、37㎜砲を装備した快足の戦車として、いわゆる電撃戦の主役のひとつとなったのは有名な話ですね。
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大戦初期は、各装甲師団は、フル装備の3個大隊で、戦車中隊の数は、8個から12個もありました。第4、8、12というのは、重戦車中隊で75㎜短砲身砲を装備した4号戦車が配備されていました。中には2個戦車連隊で、装備戦車が340両に達する装甲師団(フランス戦時の第3装甲師団)があったりもします。
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フランス戦時には、38(t)戦車は、第7、8装甲師団に集中配備され、両師団合わせて200両程度が所属していました。このうち第7装甲師団は、第25戦車連隊と第66戦車大隊の3個戦車大隊装備で、38(t)戦車は91両が配備されていたようです。
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今回、再塗装にあたって、手元のストックのデカールから、第7装甲師団所属の車両としてみました。
第7装甲師団は、フランス侵攻時、ロンメルが師団長にあって、その電撃ぶりから、連合軍に「幽霊師団」(=神出鬼没で、思わぬところから攻撃を受けたり、進撃速度が速いため、居るはずのところにすでにいなかったりして所在をつかめないことがあったり、という訳ですな)と呼ばれた、有名な装甲師団でありました。
ロンメルとその名声を一躍轟かせることになった立役者のひとつ、(もうひとつは88㎜砲を対戦車に使ったことですかな)という訳です。
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もっとも、今回、車両番号は、フィクションで、車両の特徴自体もちょっと疑問符つきではあります。ま、雰囲気を楽しむ範囲ですな。
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ウェザリングは、油彩を主に使用し、ピグメントを控えめとしています。
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車体の左には、ジェリカンとエポキシパテで作った布を置いて、アクセントとしてみます。
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38(t)戦車のOVMは、通常のドイツ戦車とは異なって、クランプではなく、ベルト式の固定具が用いられていました。エッチングパーツのストックからそれらしいものを拝借してでっち上げました。
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以前、知り合いの方に、38(t)戦車が演習地らしい不整地を凄い速度でブワンブワンしながら走っている映像を見せていただいたことがありますが、履帯は、弛みが結構あって、外れちゃうんじゃないかという勢いでした。
車体は、土埃に一面覆われていて、ホコリ色に染まっていました。
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フィギュアは、ポーランド戦における姿の方が相応しいと思われる出立ですが、この車両にはよく似合います。
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総合的に、実車をよく再現しているか、というと、そうではない、というしかありません。いつもこのブログで書くように、AFVの塗装は、基本色の選択からウェザリングの仕上げまで、ホンモノにそっくりだ、というのは、実はさほどないんですね、カラーモデュレーションという塗装法そのものも、実車がそう見える、わけではありませんし、圧延鋼板は赤くは錆びません。戦車の雨だれにサビ色が流れることは通常ありえないのです。(OVMのクランプ、装甲板でない鉄板、排気管とかは別ね)
さらに路外を行動中の戦車は、色なんか分かんないくらい土埃と泥に覆われているものです。
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我々が、AFVの優れた作品を見て、「リアルだ」と感じるのは、あたかも「ホンモノの」ように見えるから、では実はなくて、ホンモノのように感じられるウソ(フィクション)を上手に表現できているから、に過ぎないのですね。
一方で、ヴァーリンデンやグリーンランド作品のようなリアルさを追求するのとは、ベクトルの違う塗装もある訳で、どちらが優れているか、ということでは決してありません。
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AFVの塗装テクニックは、千差万別であって、ただ色を塗って完成、というところから踏み込んでいくと、かなり奥が深いものでもあります。
キット自体の完成度が飛躍的に高まっている現在、誰が作ってもちゃんとキットは形になるもので、自分の作品を差別化するには、どのように塗装し、仕上げるか、は、大きな命題であって、かつ、なかなかに難しく、また、それがある故に楽しいものであります(アタシは、AFVの塗装は、絵を描くのに似ていると思いますが…)。
上手なウソつきになりたいものですな。



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